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第6話 命と人生
今、わたしは診察室で、両腕を広げて片足立ちになり、目をつぶっている。
「はい、平衡感覚は良好です。血圧も正常。
本当は精密検査をしてほしいのですが……」
「すみません。仕事があるので」
医師はあきれたように首を振った。
診察室を出ると、元夫が待っていてくれた。
「着替えと荷物、持ってきたよ」
キャリーバックと着替えの袋を受け取った。
「ありがとう。ごめんね。迷惑かけて」
「気にするな。それにしても、君も千晶も無事でよかった。
千晶に会っていくだろう」
「もちろん」
わたしたちは、千晶の病室に向かった。
千晶は、左足に包帯を巻いて、病室のベッドに寝ていた。
駆け寄って、千晶の肩を抱きしめた。
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