第1話 わたし

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目を開けると、猛烈なスピードで飛び去る雲が見えた。 インドワタノキは、わたしごと横倒しに地面に倒れたようだ。 縛られた両手だったが、自分の体中を触って、ケガがないことを確認した。 竜巻は嘘のように消え去り、辺りは静まりかえっていた。 ふと空に、小さな黒い塊が落ちてくるのが見えた。 わたしが乗せられていたピックアップトラックだ。 ピックアップトラックは、数百メートルほど離れたところに墜落した。 用心深く立ち上がって、辺りを見回したが、車に乗っていた男たちの姿は、見渡す限りどこにもなかった。
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