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3
「何?それ?どんなカラクリなの?」
「いや、カラクリも何も手突っ込んだら金が溢れんばかりに出てくんだよ!ほら」
またポケットに両手を突っ込み
ガサゴソともの5秒程で
お金の塊が登場した。
そして先程から出てきた
紙幣達と同じく
しわくちゃになったコンビニの
ビニール袋の中に
無造作に放り投げる。
「な?嘘じゃないだろ?」
わざとらしくガハハと
口を大きく開けながら佐倉を挑発的に見た。
さっきから飄々とした様子で
自慢げに話す姿を見て
俺はイラッとし、田口が着ていたパーカーのポケットに手を突っ込んだ。
だが
いくらポケットの中を模索しても
長細い感触は手のひらには伝わらない
「えっ?なんで?」
意図せずその一言が口から漏れる。
隅々まで手を動かして
探し出したが、手に残ったのは
軽く温まった温もりだけだった。
困惑する俺に田口は
「いいか?このパーカーから金を出すには
ある儀式が必要なんだ?どうか乗るか?」
まるでペテン師のように
相変わらずニヤニヤとしながら
胡散臭く条件を突きつけた。
いつもなら興味を持たず
軽蔑した目を向けながら颯爽とその場を去るがこの日ばかりは
神経が興奮しているせいか
そんな考えは一切浮かばなかった。
真っ先に口から出たのは
「勿論、やらせてくれ」
と迷いなく出た言葉だった。
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