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ここが……【ナイトビル】か。 全体的に錆びついていて ツルもビルを侵食するように伸びている 誰にも何も言われなれけば 曰く付きの廃病院と捉えられる見た目をしている。 まさかこんな所に 人がいるなんて透視能力者じゃなければ 絶対にわからない。 「勿論、やらせてくれ」 田口は俺がそう言うと パチンと両手を合わせて音を出し 「よし!そうと決まれば、今日の夜ここに来てくれ」 ベンチに置いていたスマホを 物凄い手さばきで 動かしているのが見え、次の瞬間 ピコンっと 俺のスマホが鳴ったのが聴こえた。 今度は自分のスマホに目を落とすと 【メッセージが届きました】の一文が 目に入った。 そこには 【茨城県〇〇市☓☓区……】と 住所と建物の写真が載ったマップが 送られ 「ここに今日の夜来てくれ、中に入ったら  白衣を着た老人が居るから  そいつにまず話しかけてくれ」 田口は送ってきた住所を指差しながら ぶつくさと話した。 ただこの場所見覚えがあるな…… 実際には行ったことなくとも どこかで見たような記憶がある。 脳をフル回転させて その記憶を呼び起こそうとするが 頭の中に白い靄がかかっただけで 明確な事は思い出せなかった。 同時に胸騒ぎもしだし 何かこの場所に行ってはいけないような 直感が働き始めたが 「いいか、今日中に行ってくれないともうこの儀式は今後一切出来ないからな」 田口は先程までとはうって違い 目の瞳孔が開いた状態で 白目の至るところには血管が血走り まるで人格が変わったような 佇まいがあった。 俺はその迫力に気圧され 頷くことしか出来なかった。
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