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ひとは悪になれる
きのう駅のホームで女性が何者かに……
睡眠中の脳内ニュースに眼をさます
ぼくの知っているひとのことかもしれない
彼女は無事か、犯人は捕らえられたのか
いったい何処のどいつなんだクソ野郎……
ぼくは、彼女の顔しか知りはしない
ちょくせつ話したことなど片手でたりる
ほぼ一方的に見知っているも同然のひと
その身の無事は確認することができた
しかし彼女から笑顔がきえていた……
ひとを恐怖におとしいれてなにが楽しい
脅かされたその者が家族であったなら
もしも最愛のひとであったとしたならば
許されぬことと知りながらも、ひとは
牙をむくことを厭いはしないだろう生き物
優しき悪を、生みだしちゃだめなんだ。
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