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白い夜
そう、それは突然のことだった
受けた連絡にただ固まり震えてしまう
……真っ白になる、という感覚
まさにそれを、この身で体感した瞬間
駆けつけたひと気のないフロアー
横たわったままで慌ただしく流されてく
まだ意識のあった君が虚ろな瞳で僕をみた
……ごめ、ん…………ちゃ……ん……
真白にかこまれた部屋のかたすみで
いくつもの雨を越えゆく君をみていた
声を忘れてしまった君の瞳すら動かずに
ねえ、君はどんな夢をみていたの……
僕のこえは君に届いていたのだろうか
あのさ、今日はこんなことがあったんだ
こんどさ、あそこに一緒にいきたいね
返ってくることのない君の口もとを
じっと見つめて……、ときは流れて……
月すらも眠ってしまうよな静かな夜に
君の代わりに刻んでいた音が溶けていく
最後にふりしぼった君のその魂のおと
「ありがとう」ただ、ひと言だけ
君の瞳を輝かせた一粒のそのひかり
僕のすがたを映してくれたのだろうか
君に訊いてみたかったことがあるんだ
いまさらだけど伝えたいこともある
教えて欲しい、……君は幸せだったのかな
僕は君と出会えて幸せでした、そして
愛していました、あなたのことを……
愛しています、これからも……ずっと……
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