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もし、過去に……
もしもあの頃に戻れるとしたならば……
静かな部屋で、ひとりぼんやり考える
手もとに光る言葉たち、それは流れ星
見えてはいるのにこの手には掴めない
虚しさが胸を擽りはじめたら、最後
瞳に映っているものは部屋から飛び出し
ひとりで勝手にどこかへ走っていく
誰も、何も此処には留まってはくれず
時計は頭の中でカラカラと空まわる
見つけたい、……戻りたい
笑顔だった自分を探して彷徨って
其処へ還ろうと心が焦りはじめて泣いて
どんなに過去にすがりついても、それは
全て最後には別れが訪れていて……
それでも其処に戻りたいと思えるのは
すべての出会いが後悔ではないから
出会わなければよかった……
そんな風には割りきれなくて切なくて
出会ってくれてありがとう……
それをちゃんと伝えられなくて苦しくて
もしもあの頃に戻れるとしたならば……
僕は、きっとまた君に言うだろう
「はじめまして、宜しくね」
そして今度は、後悔なんてしないように
ちゃんと君に大切な言葉を伝えるよ
「出会ってくれて、……ありがとう。」
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