Episode6

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 ぼーっとテレビを見ながら、ソファーに座る高橋さんの姿が目に入り安心する。   「ビール飲む?それとも酎ハイ?」  テレビを見ている高橋さんの隣に腰を下ろす。 「酎ハイ頂きます」 「同じ匂いがするね」 「そりゃ同じシャンプー使ってるからですよ」  テレビを見ながら適当に返事をしてくる、高橋さんにイラっとする。  だけどテレビの画面を見て、何故上の空で回答しているのか納得した。 「俺ね、実はそのお笑い芸人好きでもなんでもないんだよね」  テレビにくぎ付けだった高橋さんの視線が俺に移る。 「えっ・・・?ファンだって言ってましたよね?」 「ん?それ嘘だよ」 「えっ・・・?何で?」 「何でって?そりゃ高橋さんが好きだったから」 「えっ・・・?そうだったんですか。そんなこと知らずに、連れまわしてすみません」 「ん?俺はお笑い芸人見てたんじゃなくて、高橋さんをずっと見てたんだよ。だから、全然飽きなかったし、寧ろ嬉しかった」  さっきまでテレビにくぎ付けだった高橋さんの視線が、今は俺に向いている。 「ね、テレビじゃなくて俺を見てよ・・・・」  そのまま高橋さんの顔に自分の顔を近づける。
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