Episode1

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「ごめんなさい。そういうつもりで言ったわけではなくて。今日の意見は非常に良かったから。  今後も思うところがあったら、どんどん意見してください」  俺の言葉に驚いたのか、目を丸くして俺を見ている。  さっきの時間より遥かに長い時間、目があっていた。  ふいに地味女が視線を外し、最後の紙コップに手を伸ばす。 「承知しました。提案書のドラフトができましたら、ご連絡します」  そう言い残して、地味女は紙コップを手にして、そそくさと会議室を出て行った。  さっきと同様、俺は黙って彼女の背中を見送っていた。 「杉本さん、お疲れっす。プロジェクトに飯坂さんいるなんて、マヂラッキーっすね」  時々、米山は俺の理解を超える発言をする。  仕事を何だと思っているんだと言いたい気持ちを、ぐっと飲みこむ。 「さっきの地味目な女性誰で?最後に一人で紙コップ片付けてた人」 「高橋さん?設計の人ですよね。彼女かなり仕事のスペックは高いらしいですよ。女性としてのスペックはどうか分からないですが」 「おい、米山。発言には気をつけろ。お前は仕事が一人前にできるようになってから人を評価しろ」
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