Episode3

23/24
前へ
/138ページ
次へ
「そうか?そんなことも無いような気がするけど」  わざととぼけてしまう。 「流石他人に興味の無い杉本さんですね。彼女人気過ぎて、みんなから連絡先聞かれてますよ」  それは知らなかった。  そんなことは知らず、俺まで連絡先を聞いてしまって恥ずかしすぎる。 「そうなのか。そんなに人気なんだな」 「人気も人気。だけど、誰も連絡先教えてもらえないみたいで。彼氏はいないんじゃないかって言われてますが。上川原さんと付き合ってるんですかね?」    ・・・・えっ?連絡先を誰にも教えない?  俺には教えてくれたよな。  なになになになに、俺って特別なの?  米山が発信した情報が俺を混乱させる。  我を忘れて脳内が大変なことになる。  ほんの少し残っている理性を総動員して落ち着こうと大きく深呼吸をする。  アドレナリンが出ていた脳内が少し落ち着く。  よく考えたら、高橋さんが熱狂的なファンであるお笑い芸人が俺もたまたま好きだったということに対して、連絡先を教えてくれただけだった。  高橋さんに興味があるから連絡先を聞いたのではなく、お笑い芸人友達ということで俺に連絡先を教えてくれただけだ。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

522人が本棚に入れています
本棚に追加