Episode4

1/26
549人が本棚に入れています
本棚に追加
/138ページ

Episode4

 5時間後には高橋さんと待ち合わせをする時間になる。  まともに顔を合わせたのは、上川原さんと三人でしゃべったのはあの朝が最後だった。  あれから次から次へと仕事が入ってきて、外出する日も多かった。  朝も直行の日が多く、たまたま会社に行った日は見かけなかったり。  朝早く行った日も、高橋さんが早くに出社してなかったりで顔を合わせる機会が全くなかった。  高橋さんの連絡先を知っているものの、メッセージを作りかけても結局送信ボタンが押せないでいた。  毎日スマホのメッセージアプリを気にするも、高橋から連絡が来ることもなく、今日に向けてため息の数は多くなっていた。 「杉本さん、久々に夜飲みに行きましょうよ」 「米山、俺と飲みに行っても酒が不味いだろ。俺に気を使わなくていいから」 「別に気を使ってないですよ。杉本さんと飲みたいから誘ってるだけです。いいですよね?予定もないでしょ」  「おいおい、勝手に決めるな。今日は予定あるから、またの機会にな」 「えっ?彼女できたんすか?俺聞いてないですよ」 「彼女はできてない。出来たとしても、米山には言わないけどな」
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!