お館様、改めさせて頂きたい。

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「この『感度三千倍で敗北してみた。』ってのは誰のだ誅殺するぞホント!?」 「ウホゥ(某の企画だ)」 「ゴリラ死すべし慈悲はな、い」 「それもう別の動画サイトだろうがアニマルビデオ野郎!そーゆー会社にいけよお!」  もはや外聞もなく喚きちらす咲耶。 「そもそもだ!ネム、シャオ!気付いているか!?企画案を並べたこの巻物。頭から読んでみてくれよ!」  せっかく起こした身体を、再び伏せてしまう。 「終盤になるほどお色気に向かっているんだよおおおお!」  それは実は何という事はない、バズらなければ過激になる他ないというそれだけの理由なのだが。 「フットインザドアってやつだ!最初はほんのりお色気をさせて、徐々に過激に走らせて断り難くさせる手法だ!」 「まて孫娘」 「ウホゥ(パラノイアが過ぎる)」 「そんなことないよ。って」 「知ってる、知ってるんだ。破廉恥な絵巻でいっぱいみた。私いっぱいみたんだ…」  がばっと顔を上げる咲耶。その瞳はぐるぐると忙しなく動きまわる。 「だってそうだもん!クノIドル活動だなんだっていくら里に男引き込んだってさあ!?根本的には解決しないんだもん!だってだってそうじゃん!そいつ等がその場でいくら金落としても里にいつきはしないじゃん!」  お気づきだろうか? 「それを定住さすってじゃあお手付き前提じゃん!」  あんまし立て直っていない。 「ネムちゃん、シャオぉ。しってる?しらないよねぇ?私達のチャンネル。詳細のタブ開かないと読めないとこ、なにかいてあると思う?」  しかし咲耶の被害妄想も、 「『一年以内に十万フォローいかなかったら房中術晒す』だ!狂気の沙汰だよおおおおろろろろ…」 あながち、というものである。 「ねぇじぃちゃん!孫娘にトラウマとデジタルタトゥー刻みつけてまで里に男呼びたいのっ!?」  これは単に『うちの孫可愛いしまぁ十万なら大丈夫じゃろ』という、爺バカ故の強気に過ぎないのだが、 「これサンクコストってやつだよねぇ!?」 咲耶は既にだいじょばない。 「ようやっとる」 「ウホゥ(うむ。頑張ったぶん捨てるのが惜しくなり、結果として泥沼に沈んでいく心理だな。よく学んでおる)」 「そりゃこれ書いてあるだけでどんどん破廉恥かませば九万はいくよ!ギリギリのお色気やって、エロエロの破廉恥がもし通れば安定して収益化できるだろうけどさぁ!」  両の腕を身体に巻き、わなわなと震える純情乙女。 「絶対に十万は超えない!超えないぞ!賭けてもいい!だってそうじゃん!?頑張った挙げ句にエロ墜ちするくノ一みんな観たいじゃん!煽てておいてあっさり破滅する女の子を観たいじゃん!」 「わしより深刻に捉えてて草じゃった」 「ウホゥ(シャーデンフロイデ乙)」 「やばぃぃ、やばいよぉ……きっとギチギチに縛られてオークライクな妖のなかに放り込まれちゃうんだぁ、口寄せた触手にぬるぬるブスブスされちゃうんだぁ。くっ殺されるよぉ、絶対されるよぉ…」 「いっそMか?」 「ウホゥ(うぬ頭まっピンクじゃん)」 「このヒヒジジイ!」  こうなっては、いっそ泣き顔がもっとみたくなってしまう。だって男の子だもん。 「悔い改めろぉ!もしそうなったら三人で出家するからな!」
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