生きた時、死んだ時「おめでとう」をください

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ある所に双子が産まれました けれど、立派な名前も家も居場所もなく捨てられました 施設こそ立派な所に拾われたけど、それは見た目だけでした 子供に対する扱いは、そこらのゴミや埃と同じ それは酷い人生でした だから、双子は決めました この世界から死んでやろうと 双子は世界から姿を消しました 「これで私たちの物語は終焉」 無表情の子がパンと手を合わせ鳴らし閉じた まるで物語の本を閉じるように 「僕達の人生はたった8行で収まってしまうんだ」 挨拶の子が悲しげに言う 「君の人生は何行?」 無表情の子が私に問いかける 「分からない。 けど、8行以上はあるよ」 私の人生は、大袈裟でも立派とは言えない なんせ自殺するくらいだ でも、きっと8行では収まらない 名前も家も家族もいたから きっと、双子よりかはいい人生だったかもしれない… 「でも、私の人生に光はなかった」 私の人生は、暗闇 そう言える記憶がある ただ… 「私、どうして死を選んだんだっけ…」 そう、それだけが、まだ分かっていなかった
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