生きた時、死んだ時「おめでとう」をください

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無表情の子が言っていた、分かるはずも無いという断言 死を選んだ理由 どうしてか、そこだけ抜け落ちているのだ 双子達がいう死者の国 それは確かに私にとっても彼女達にとっても「元」リアルだった いうなら、リアルを生きている人達からすれば、今、悪魔と双子達が生きてる世界こそ死者の国だろう 私が生きていたリアル 確かに光などなくて… 「ほんとうに?」 悪魔が囁く 「えと…」 「本当に光はなかった? 人間の記憶容量って、17.5TBしかないそうよ。 そこから3つの記憶媒体に分かれるの。 情報は沢山、17.5じゃ収まらない」 悪魔が淡々と知識を言う 「つまり?」 「貴方が光だとか闇だとか思ってるものが全てとは限らないってことよ。 死へのショックで忘れてるだけかもしれないわ」 人間の脳は、本当に複雑だとは私も聞く だけど、そっか… 見えないのは、そーゆーこともあるよね 「どうしたらハッキリするものなのかな?」 私は3人に聞く 「答えは自分の心に」 悪魔が答えた 「生きるか死ぬか」 挨拶の子が答えた 「行くか逝くか」 無表情の子が最後に答えた 3人の瞳が光る 私の事を見つめているはずなのに、ずっと後ろ遠くを見据えているような たしかに3人が人間ではないという恐怖が私を震わした
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