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「君はこの世界が美しいと思う?」
天使のように真っ白な悪魔が言う
「…よく、わからない」
私は答える
目の前の風景は、灰色で少し埃っぽかった
「君は、どうして此処にいるの?」
悪魔は、服装こそ天使のような甘い白
でも、翼と角は真っ黒でごつくて、十字架を背負っていた
悪魔なのに、十字架?とも思ったけど聞かなかった
「そもそも此処は何処なの?」
私は、悪魔を見た
私より、うんと高い身長を見上げる
「何処かしら?彼処かも、アッチ?コッチ?底かもしれないわ」
悪魔が面白おかしく世界を見ながら言う
そんな答えにもなっていない回答を、私は世界に目線を戻して考えた
目が覚めたら此処にいた
少し歩いてみるかと、足を動かす
悪魔も後ろを着いてきた
霧があるのか先は見えずらく、建物という建物は無い
なんというか、死んでるような…そんな世界
音もなくて、空気が少し冷たい
少し歩くと人影が2つ
「私以外に2人も人が!」
小走りに近づく…が、すぐ気づいた
2人は人、ではなかった
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