都橋探偵事情『更紗』

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「おおい、こっちだ」  中西が叫んだ。 「何をやってんだ、警察に連絡するぞ」 「おう、頼む、伊勢佐木中央署の並木って奴を寄こしてくれ」 「ふざけんな」  管理人は110番する。 「はい」 「隣の窓から物を投げてうちのビルの窓ガラスを壊す奴がいます。すぐに来てください」  3分で警官が駆け付けた。 「こらっ」  警官が声を上げた。 「俺だ、伊勢佐木中央署の中西だ、正義の味方だいい人だ」  警官が敬礼した。 「監禁拉致されている女子がいる。早くこっちのビルを開けろ。所有者は4階の日印貿易興商だ」 「分かりました、すぐに行きます」 「おい、それとな、並木を呼べ」  中西はほっとした。 「おい、しっかりしろ」 「水が飲みたい」  中西は空きビンを軽くゆすいで水を入れ、そっと飲ました。ハアハアと息を荒げ目を瞑った。脱水症状で苦しんでいる。 「しっかりしろ、もう助けが来るぞ」  励ますと頷いた。  警官が5階に上がる。頑丈な南京錠がされている。スチールのドアを叩いた。 「中西さん、中西さん」  叩きながら呼んだ。
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