どうすればよかったのか、未だにぼくにはわからない

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 日々は無情に過ぎていく…… そんな日々の中、僕は「保健所」で犬をどうするのかを知ってしまった。犬、保健所とインターネットに検索にかけただけでサジェストに「殺処分」と表示され、知りたくなかった現実を知ってしまったのだった。 どうしてこんなキーワードで検索をかけたかと言うと、引っ越しの期日が近づいており、ブランの里親探しもタイムリミットが近づいていたため、最後に選ばなくてはいけない手段がどのようなものが気になって調べてみようと思ったからである。  まず、保健所に連れて行かれた犬・猫は数日間の預かり期間が設けられる。その預かり期間中に飼い主が見つかれば殺処分を免れることが出来る。 だが、全ての犬・猫に飼い主が見つかることはない。大半は殺処分による最期を迎えることになる。  殺処分の手段であるが、ドリームボックスと命名された箱同然の狭い部屋に複数頭閉じ込められてのCO2による窒息死である。その名前とは裏腹に、犬・猫に与えられる窒息の苦しみは激しいもので苦悶の悲鳴を上げながらのたうち回るのだ。ドリームボックスの「壁」にはその苦しみから逃れようとする犬・猫の爪痕が夥しく刻まれている…… そして、死ぬ間際には排便と嘔吐を繰り返し、苦悶の中力尽きるのである。  残酷すぎる殺処分の方法である故に、麻酔による安楽死による殺処分の方法を推進する者が多いとされているが、殺処分される犬・猫の頭数を考えると金銭的にも効率的にも現実的ではない。 2021年度現在では約14000匹の犬・猫が殺処分されている。残酷な言い方をすれば、これだけの数を殺処分するために麻酔による安楽死をさせるよりも、ドリームボックスを使っての殺処分の方が金もかからないし、効率もいいために、この方法しかないのである。
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