どうすればよかったのか、未だにぼくにはわからない

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 だったらこんな会社なんて辞めてしまえ! 僕はこう言いたかった。 だが、「こんな会社」から貰っている給料のおかげで僕達家族は生活出来ている。僕もそれはわかっている故に口に出すことは出来なかった。 「それでな、友達に頼むかインターネットで募集をかけてもいい。ブランを引き取ってくれる優しい人を探して欲しいんだ」 母が不安そうな顔で述べた。 「あの、もしも見つからなかった場合は」 それを聞いた父は悩ましげな顔をしながら頭を抱えた。 「保健所に連れて行くことになるな」 母は何も言わずに、僕の足元で鼻を擦り寄せるブランの頭を撫でた。その顔はこれまで見たことがないような悲しげなものであった。  僕はと言うと「保健所」が何をするところかが知らなかったために、飼えなくなった犬を世話をする場所程度にしか思わなかった。それ故に、事態の深刻さに全く気が付かないのであった。  その日より、僕はブランの里親を必死に探し回った。友人達への直接の交渉、SNS上での里親募集。いずれも梨の礫。 里親探しは「あげますもらいます」と言う簡単な話ではない現実を僕は知るのであった。
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