どうすればよかったのか、未だにぼくにはわからない

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北海道に引っ越してから数年間、ずっと願っていた「ブランに会いたい」と言う願いは叶えられた。嬉しい筈なのに悲しく感じるのは「犬を捨てた」罪悪感から来るものだろうか。 ブランであるが、久しぶりに会う僕が迎えに来たとでも思っているのか尻尾を激しく振り出した。 正直に言うと「ごめんね、ただいま」って抱きしめてやりたかった。 しかし、犬を捨てた僕にその資格はない。仕方ない理由があったとしてもだ。 僕はブランに合わせる顔がなく、踵を返してその場から逃げるように走り出した。 「仕方なかったんだ…… 仕方なかったんだ……」と、譫言のように許されぬ合理化の弁を宣いながら走るのであった。 おとなになれば、このことを忘れられるのだろうか。 それがおとなだと言うなら、僕は大人になんてなれない。                            おわり
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