どうすればよかったのか、未だにぼくにはわからない

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 北海道に居を移してから、僕は「ブランに会いたい」と毎日思うようになっていた。 そもそも、捨てた犬に会いたいなんて虫の良い話だ。もしも、捨てた後に誰にも拾われずに野良犬になってしまったらどうなるだろうか。それこそ保健所行きだ。そうなっていたとしたら、本当に申し訳ないとしか言いようがない。 僕が殺したようなものだ。出来ればそんなことにならずにいい人に拾われていて欲しい。 僕には、そう願うことしか出来なかった…… 父と母であるが、僕の見る限りでは忘れた(てい)であった。大人だから割り切りが早いのだろう。
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