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私を騙して、その上自分の足ではなく他人の背を利用して一番のりを勝ち得たあなた。私は決して許さない。
私は私も許せない。あなたの「集合日はこの日だよ」との言葉を、簡単に丸ごと信じてしまった甘ったれの自分を。そのせいで私だけでない、一族のプライドに泥を塗ってしまったことを。
私が1日遅れたせいで私の種族は12干支に入れなかった。
一族全ての皆さまへ申し訳が立たない。未来永劫、子々孫々へ顔向けできない。その恨みは絶対に忘れない。
だから。
あなたがどこへ逃げようと、誰といようと、どんな毎日を送っていようが。
私はあなたに会いたいの。会いたい思いが強ければ、強く願えば願うほど、そのチャンスは必ず巡ってくる。
どれだけ年月が経とうとも。何度生まれ変わっても。姿かたちがあの頃と全く変わっていようとも。
私にはわかる。一目であなただと見抜ける自信がある。
それが、今の私が「化け猫」と呼ばれるゆえん。だって何度だって私がその2、3年の寿命を全うさせなかったのだもの。
ええそうよ。永遠に、私はそれを繰り返す覚悟を決めた。それが私の償い。
そう何度でも。
会ってあなたを噛み砕く。
(終)
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