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嫌がれば嫌がるほど、私は燃え上がった。そうだ、私を否定し、そして最後には屈服して受け入れるがいい。どうせ、そうなる。
テーブルの上に押し倒されたまま、聖子は突然ぽろぽろと涙を流し始めた。
途端に面倒になり、視線を外すと床には聖子が用意していたという質素な肉じゃがや焼き魚などが散らばっていた。聖子が何を喚こうが、また砂を落とせば良い。私は次に砂粒を落とした後に、より高い興奮を得る為、聖子にあえて口を開かせてやった。
「こんな良い暮らしをさせてやっているのに、おまえは一体何が悲しいと言うのだ」
「私は……孝史さんが、もう分からない……」
「何を言っているんだ。私は私じゃないか。気でも狂ったのか」
「違う……孝史さんが変わったのよ。私は、何度も孝史さんが元に戻ってくれる日を願ってた。高校の時の、何事にも一生懸命な孝史さんが……好きだった……私には、孝史さんの心を変えることが出来ないの、無理なの……」
「何を言っているんだ。高校時代? 下らない。戻れるはずがないんだ、いい加減にしろ」
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