時の粒
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汗だくになり、炎天下を年甲斐もなく必死に走る。肺が潰れそうになるまで走るが、足がもつれ、力が入らない。乗るはずだったバスが、目の前で去ろうとしている。 「待って! 待ってくれ!」 乾涸びた喉を振り絞り叫んでみたが、時間通りに発車したバスは問答無用で私を置いてけぼりにしたまま、陽炎の向こうへ行ってしまった。歳のせいで上がる息を抑えきれず、膝に手をついて項垂れる。
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