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「グローチャンスから派遣されて来ました、船崎です。あの、こちらのお部屋でよろしかったでしょうか?」
互いに顔を見合わせた職人だったが、煙草を揉み消しながら顎髭が船崎青年の問いに対し、問いで応えた。
「いくつ?」
船崎青年は派遣経験から服のサイズを聞かれているのだと思い、「170のMです」と答えると、顎髭が掠れた笑い声を漏らした。
「あんた、バケモンかよ。年だよ、いくつ?」
「年齢ですか?」
「そうだよ。いくつ?」
「今年、三十になります」
「へぇ、俺らの五個上なんだ。どっから来たの?」
「あの、それは今日の仕事となんの関係がありますか?」
船崎青年は大真面目に訊ねたのだが、職人二人は顔を見合わせると、一呼吸置いてから盛大な笑い声を狭い部屋の中で響かせた。
「おいおいおい! やべーよコイツ!」
「話し通じてますかー? おはなし、出来ますかー?」
「おじさん、冗談は年だけにしてくれよ! マジ勘弁だわぁ。で、どっから来たの?」
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