駅蕎麦の末路

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 関東北部に在るこの街の駅は東と南に向かう路線のターミナル駅となっていて、日中ひと気は少ないが朝から晩まで様々な電車が行き交っている。  二両編成でボロボロの客車が出発したかと思えば、長い列を成した貨物列車が勇ましくホームを通り過ぎて行く。朝晩こそは人の気配も多少感じられるが、ピークを過ぎればあっという間にホームからは人影が消えてしまう。  勤務時間の遅い私は、ホームの端に在る一軒の立ち食い蕎麦屋で朝飯を摂るのが日課となっていた。
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