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ケイトはケーキの傍で蝋燭に火を灯そうしている祖父母を見ていると、不機嫌になった。
「いいよ、おばあちゃん、無理しなくても」
「どうしたの、ケイトちゃん、学校か塾で何か嫌なことでもあったのかい」
おばあちゃんは何もわかってないと、ケイトは思った。
「別に何もないけど、もうお誕生日を祝ってもらうような歳じゃないもん」
ケイトは、そのとき捨てゼリフを残して自分の部屋に駆け上がっていったのをとても後悔した。
翌日、朝を起きて食卓に着こうとすると、椅子の上に祖父母と、両親からのプレゼントがあった。
「その箱はパパとママから、そっちの包みは、おじいちゃんとおばあちゃんからね」
すでに朝食を済ませて仕事に出かけようとしていたママが忙しそうにそう告げた。
両親からは約束していたスマホと、祖父母が選んでくれたのは、ミトン型の手袋だった。
正直言って、手袋のデザインは、ウサギがモチーフで、12歳になった自分には、子供っぽいと感じられた。
「こんなの幼稚園の子じゃないんだから、できっこないよ」
両親から貰ったスマホと比べて、ケイトは腹が立った。
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