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多少強がりでそう言ってしまって、13歳のときの誕生日にテーブルの上に本当にバースデーケーキが用意されていなかったのを見て、ケイトは少しだけショックだった。
「あら? バースデーケーキはもういらなくていいのよね?」
ママは、体にいいからと言って飲み始めた赤ワインのグラスを傾けながら、リビングルームに顔を出したケイトに向かってそう告げた。
誕生祝いとか、もう子供じゃないんだからと思いながら、いざバーデーケーキがなくなると、それはそれで寂しいと感じたり、自分はなんて我がままなんだろうと、ケイトは思った。
そして、今年の誕生日は、ケーキだけなく、両親もいない。
7時までに両親が帰らないときは、ピザとかドリアとか、冷蔵庫に入っている冷凍食品をレンジで温めて食べることが“朝吹家”の取り決めとなっている。
父は最近仕事が忙しくて徹夜が多く、母も深夜過ぎでないと帰らないことも多い。
ケイトは、凍ったラザニアをレンジに入れて、レンジのタイマーをセットした。
そして、誰もいないリビングで、久しぶりにミトンを取り出して眺めてみた。
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