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オフィスファッションとちょっと違うのは、シャツの色も、スーツと同じ黒というところか。
実を言うとケイトは、得体の知れないこの女性をガラス越しに見た瞬間、さほど驚くことはなく、“期待”の方が膨らんで、ワクワクしていた。
「えーと。今日14歳のお誕生日のあなたに、大変ビッグなお知らせです。
アサブキ・ケイトさん、あなたを、我々魔法使いの仲間として、謹んで、お招きしたいと思います」
何か、変な日本語だけと思ったけれど、どうやら、自分は“魔法少女”に選ばれたということらしい。
「きゃっ!」
ケイトは、嬉しさのあまり、両手を口元に当てて短く叫んだ。
「おめでとう!」
エミはケイトの手を取り、ぴょんぴょんと跳ねた。
それに釣られてケイトも一緒にリビングの中央を飛び跳ねて回った。
「よかったわ。そんなに喜んで貰えて、私も光栄よ」
「光栄? ですか……」
「そう、光栄、光栄。だって、あなたは、数十年、いや数百年に一度の逸材ですもの」
エミはニッコリと笑ってケイトの両手をしっかりと握った。
「さて、早速だけど、魔法少女になって貰うための儀式を始めるわね」
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