第4話 “魔女”と“魔法少女”(その3)

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 エミはフォークを杖のようにして小脇に携え、得意げな顔をしてみせた。 「凄いです。本物の魔法を見るのは初めてなので……」  ケイトは素直に驚いていた。 「でもねえ、この魔法、物体を巨大化させるって、実はかなり上級の凄い魔法なんだけど、素人の皆さんは、あまり驚いてくれないのよねえ」 「で、次はどうするんですか?」 「え?」  ケイトが期待を込めて尋ねると、エミがぽかんとした顔をした。 「次って? これだけよ?」 「……? そのフォークで」 「ああ、これは、デモンストレーション」  エミはフォークを元の大きさに戻すと、鞄の中に仕舞い込んだ。  ケイトは、巨大化させたそのフォークを使って、自分を魔法少女にしてくれる何らかの“儀式”を行うものとばかり思っていた。 「これからが本番よ」  エミは何も持っていない右手の掌を広げると、ケイトの前に翳した。  すると、手のひらの少し先の空間に、青白い小さな魔法陣が現れた。  「はっ!」と再び気合いを入れて開いた手のひらをグーの形に握ると、握ったその拳の中に、長さ50センチぐらいのステッキが現れた。
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