第4話 “魔女”と“魔法少女”(その3)

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 ケイトは、その様子に思わず、一歩、二歩と後退った。 (こっちの方が凄い!)  正直言って、デザートフォークを巨大化して見せたよりも、遥かに凄かった。先ほどのデモンストレーションは一体なんだったのか、よくわからなかった。 「はい、これ」  現れたステッキを、エミは無造作にケイトの方に差し出した。 差し出されたケイトは、反射的にそれを受け取った。 「それ使ってね」 「これ? どう使うんですか?」 「使い方は簡単よ、自分のイメージした“魔法”を頭に念じて、そのマジック・ワンドを振るだけ」 「マジック・ワンド?」 「そうそう、“魔法の杖”って意味ね」 「頭に念じるだけでいいんですか?」 「基本的にはそうよ」 「それだけなんですか?」 「うん?」 「魔法少女になるための何か儀式とかはいらないんですか?」 「ふっ、ふっ、ふー」  エミはわざとらしく、笑って見せた。 「実はねえ、その杖が受け取れた時点で、あなたはもうすでに魔法少女として、合格してるのよ」 「どういうことですか?」 「その杖の“実体”は、ここにはないのよ」 「え?」
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