第2話 “白の魔法使い”と“黒の魔法使い”

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 世間から追われようとも、闇の魔法を後世に残し、正しい用い方を伝えていくことが己の使命であると、考えた。  こうして、白の魔法は、“表の魔法使い”となり、黒の魔法使いは、世間から忌み嫌われる“裏の魔法使い”となったのである。 ◇◇◇ “純白の魔女”シズカは、“漆黒の魔女”エミの攻撃を寸でで、躱(かわ)した。  今の攻撃を諸(もろ)に受けていたら、シズカとて危なかったに違いない。 「その技はさすがに卑怯じゃないの?」 「何をおっしゃるの。私たちの闘いに卑怯もクソもないでしょう?」 「なんと、下品な!」 「あら、御免なさい。クソは言い過ぎだったわね。へったくれと訂正しとくわ」 「言葉はともかく、あなたの今の技は、相手を“消す”魔法でしょう? それを使っていいのは、相手が悪人のときだけじゃなかったの?」 「そうね、私たち“黒の魔女”のポリシーとしてはそうだけど、今は、大事な“決戦”の時だし、そうも言ってられないのよね」  エミは、相手を小馬鹿にするかのように、拳で顎を支えるポーズで腕を組み、困ったような顔を少し傾げてみせた。  
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