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「そっちがその気なら、こちらも本気でいくしかないわね」
「あら? まだ本気じゃなかったの? まだ奥の手があるなんて、こわーい」
エミは、少女のように両肩を抱えて、ブルブルと揺すった。
「バカにしてるのも今のうちよ」
シズカは白いマジック・ワンドを空間からポンと取り出すと、さっと右から左へと振った。
マジック・ワンドの軌跡に沿って、金平糖のようなキラ星がさらさらと流れ出た。
流れ出たキラ星は、星雲のように集まったあと、シズカが再びワンドを振ると、針のような形に変わり、エミ目掛けて飛んでいった。
ふいを突かれたエミは身に着けていた黒いマントを引き上げて、自分の顔を防ぐので精一杯だった。
キラ星の針は、何本かがマントの上にビシビシと刺さり、何本かはマントを突き抜けて、衣服の上から身体にまで直接突き刺さった。
「う!」
エミはいきなり注射を打たれたような感覚に、思わず声を上げた。
「いたああい。何するのよ!」
「これしきのことで何よ。自分は私のことを消そうとしたくせに」
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