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シズカがキラ星のようなエネルギーを固体化させ、再びエネルギーに変えるという、この攻撃魔法の使い手であることを知っていて、対策を立てていたのだ。
「さあて、今度は私の番よ!」
エミは指揮棒ぐらいの長さのマジック・ワンドを、チアガールが用いるバトンぐらいの長さに伸ばして起用に片手でぐるぐると回し始めた。
(え? また私を消そうとしているの?)
「大丈夫よ、心配しないで。これは、この世界からあなたを消滅させる魔法じゃないから」
言うが早いか、エミはマジック・ワンドをぴたりを止めて、シズカに対して真っすぐ向けた。
空気を震わすような波動が起こり、シズカの身体がノイズの入ったビデオ画面のように、横縞が幾重にも入って、滲むように消えていった。
「この世界から消えたんじゃなくて、どこか遠くに飛ばしただけよ。普通の人間なら場所によっては、死んじゃうかもしれないけど、白の魔女のあなたなら、きっと無事でしょう」
数秒後、マッターホルンの頂上に、白いドレス一枚の姿で、寒さにガタガタと震えるシズカの姿があった。
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