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入寮翌日は魔法学校の入学式。
今日からアウラたちはこのクルティス魔法学校で学ぶことになる。
「わあ、みんな可愛い!」
チャロが黄色い声を上げる。
彼女たちは至急されたばかりの制服に着替えていた。
「チャロも似合ってるよ」
「そう? やったー!」
チャロとベルタは、制服を見せ合いっこして騒いでいる。
それをクールな目で見てるアウラも、自然と気分が上がりそうだった。制服は普段着ているものよりかなり上等で、着心地が最高だった。
悔しいけど、魔法学校に来てよかったと思ってしまう。そんなことのためにここに来たわけじゃないのに。
「アウラも女の子らしくていいな」
一人冷めがちのアウラを見てチャロが気遣ってくれる。
それは別にフォローだとか義理だとかじゃない。本当に女の子らしいと思っての発言。
だからアウラはむっとしていた口を、ついほころばしてしまう。
当然アウラも女の子だから格好を褒められたら嬉しいんだ。
「……ありがと。ベルタもかっこいいよ」
ベルタは髪が短く、背も高くてあまり女子っぽくはない。
でも、すらっとしたシルエットや、スカートから伸びた長い足はとてもかっこいい。
きっと女子に人気のある女子。同級生にいっぱい好かれちゃうかもしれない。
「そ、そうか……」
面と向かって言われたことにベルタは顔を赤らめる。
あまり褒められ慣れてない感じがして可愛らしい。
アウラは体をひねったり、腕を回したりして、着心地を確かめる。
装飾が華美で動きにくそうに見えたけど、一応、学校内の普段着としての位置づけなので、見た目以上に動きやすい作りになっていた。
やっぱり非常に高価なもので、庶民には絶対手が届かない。選ばれた者だけが着られるもの。
(お姉ちゃんが着たら、私なんか比べないものにならないほど可愛いんだろうな……)
アウラはそう思って、ひとり気が沈んだ。
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