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手紙
卒業式は無事に済んだ。後は門を彼が出る時
私が声を掛けてこの手紙を渡すだけ。
彼が門を今、出ようとしてる。
私は後ろから声を掛ける「宮本君ちょっとそこの公園に来て欲しいんだけど」
宮本正は友達に言った「森本、中村〜先に二次会行っててちょっと呼ばれたから行ってくるよ」
森本と中村は「わかった」そう言うと卒業式の後の二次会に向かった。
宮本正は佐藤優樹菜の後ろから歩いて近くの公園に行った。
宮本正は佐藤優樹菜に言った。「僕に何か用ですか?先生」
そう、私はクラスの担任でありながら受け持ったクラスの宮本正に恋をしてしまったのだ。
生徒に恋をしてはいけない。わかっていても私の恋はもう止めることはできなかった。
「あの〜これを渡したくて〜」佐藤優樹菜はポケットの中にある筈の手紙を探した。
「あれ?ない。あんなに確かめたのに手紙がない」
「どうしたんですか?佐藤先生」
「いえ、ちょっと待っててね。もしかしたら大切な物を無くしたのかもしれない」
その時、先に二次会に行くと言っていた森本が走って二人の所に近づいて来た、
「先生のポケットから落ちましたよ。これ宮本に渡すつもりの手紙ですか?こんな事、学校に知られたら不味いよね?見なかった事にするからこんな手紙破いて捨ててください」
森本は更に言った。「早く行こう。中村が待ってる。これは僕達だけの秘密だ。先生この事は誰にも話しません。さっきも言ったけどすぐ手紙を破いて捨てて燃やしてください。それじゃあ僕達急ぎますんで」
そして宮本も言った「先生、先生は三十歳ですよね?僕と幾つ歳が離れているとら思いますか?自分の顔を見てください。僕とは釣り合わない」
佐藤優樹菜は「そうね。どうかしてたわ。さようなら」そう言うと優樹菜は携帯の鏡を持っていたバックから取り出した。その鏡に映っていたのは少ししわがある優樹菜の姿だった。
そうね。いい夢みたわ。私は教師なんだ。
生徒に恋をしてはいけない教師なんだ。。。
こんなおばさん若い宮本君が相手にする筈がない。
優樹菜は自分のポケットに手紙を忍ばせ、家で処分する事にした。
私はただのおばさんだったんだ。。。
優樹菜は心にポッカリと穴が空いた様な気がしていた。。。
完
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