違う?

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違う?

「…紹介、で、できません」 「なんで?どうせ、付き合ってないでしょ?」 「え、ぁ、あの、迷惑じゃ、ないですか…」 「何が?」 「….」 あぁ、どうしよう、反論できない、どうしよう、反論しなきゃ、え、どう、しよ 「あー、えー。お取込み中すみませんが….」 え、夕陽さん、?!今日来れないんじゃ?、 「あ、、の…」 「あ!すみません!名前…」 「ねぇ、君だれ?」 「私は、山口彩!連絡先教えてください!」 「ふっる、もう、関わらないでもらえます?」 と、夕陽さんは山口さんを嘲笑った。 「…、今日は」 「じゃぁね〜」 「夕陽さん、ありがとうございます…」 というとヘラヘラしながら、大丈夫大丈夫!っと笑っていた、なんか今日は、不自然な笑顔だ。 「乃音、君はクライアントとの大切な関わり方ってなんだと思う?」 変な質問だ、わたしには到底分かりっこない質問だ、クライアントとの関わり方?なんだ、わからない。 「わからない、」 「強いて言えば?」 「優しくする?」 「まぁ、あたり、かな。」 彼は私を見た、だから私も彼を見た。彼の顔はとても悲しそうで、辛そうだった。 「私は、乃音に優しくできているのかな」 「私は、優しいと思います、夕陽さんのこと」 彼はふふっと、笑った。その声は、悲しそうだった。 私は、彼にどうお礼を言えばいいのだろう。「夕陽さん。」 と名前を呼んで、ありがとう、とそう言うつもりだった。彼は、泣いて、ありがとうとか、そう言う言葉いらない、とでも言うような顔でいた。私は言葉に詰まった。彼にどう声をかけていいものか、と。私がそう迷っていた時彼はそっと口を開けてこういった。 「私、、カウンセラーやめろって、」 そう彼は言った。カウンセラーをやめる。ということは、私とも関わらない。 「私、君だけは、絶対に助けたかったんだ…」 「私だけ…?」 「私、すべてのカウンセリングをミスしてきて、これが最後だって、今日、そう言われた。」 こんなに、優しくて、… どこが?どう、何が、優しいの?どうして、優しいと思ったの?確かに助けてくれるよ、でも、それでも、わたしはそれを望んでるの? 私は…。 「どうしたの?」 という、彼の声で私は我に帰った。 「すみません、ただ眠かっただけです…」 「そう?今日はゆっくり寝てね、私は、少しやることがあるから」 「はい、また」 「じゃぁね〜」 と彼はさっきとは違う、明るく、いつも通りの彼だった。 さっきの私は、何を、考えていたんだろう。 夕陽さんは優しい。そうだ、ただ、優しい人。
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