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「え⋯は?それってどういう⋯」
突然のことに理解が追いつかない。
「お見合いするときに俺と一緒に行けば婚約破棄できるやろ?せやから結構ええ話ちゃう?」
「確かに⋯?」
確かにお見合い結婚はしたくない。もしかすると手っ取り早く婚約破棄できる方法が見つかったのかもしれない。でも⋯
「1個だけ条件あんねんけど言うてもええ?」
⋯そうだと思ってた。この世の中にそんなうまい話あるわけないと箱入り娘の瑠璃でも分かるのであった。
「なんでしょう?」
一応、一応念の為聞いてみる。
「その結婚報告するまでに俺と偽装恋愛してくれへん?」
先程から度肝を抜かれそうになるような話ばかりだ。だがしかし、高校卒業後の自由が保証されるなら安いものかもしれない。しかしこの男の企みが見えないままではいくらなんでも危険すぎる。
「一応聞きますが、何故ですか?」
「あー実は俺も結婚しなあかんねん。お見合い結婚」
予想外。まさか凪も自分と同じ境遇に置かれていただなんて。しかし、凪もそうなら話は簡単だどちらの親にも付き合っているのでお見合い結婚は無しにしてくださいと頼み込めばいいだけ。利害関係が生まれたのだ。
「分かりました。ではお願いします。」
「瑠璃ちゃんえらい思い切りええなぁ笑でもそう言ってくれてよかったわぁ。ほんなら家でも見に行こか瑠璃ちゃんも荷物まとめといてな」
突然のことに理解が追いつかない。荷物をまとめる?家を見る?何を言っているのだろうか。
「?⋯付き合うんやから同棲もするやろ?安心してな衣食住は確保するし、瑠璃ちゃんが困るようなことはなんもせぇへんさかいに、
」
まぁ高校卒業後の自由が無くなるよりかは増しなのかもしれない。
「わかりました、⋯でも今住んでいる場所から出ると親が黙っていないので東雲さんがこちらに来ていただくことはできますか?」
そう言って家の場所を教える。
「わかった、それでええよ。あと俺は彼氏やねんから東雲さんやなくて凪って呼んでや。じゃあまた明日瑠璃ちゃん家行くわな!」
と言って凪は去る。瑠璃の平穏な高校生活は果たしてどうなるのやら、、
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