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休まる暇なく次の日がやってくる。
ピンポーン
「瑠璃ちゃ〜ん!邪魔すんで〜」
瑠璃はバクバクする心臓を抑えながら戸を開ける。男と2人暮らしなど生まれてこの方1度もないからだ。
「凪さんこんにちは!凪さんの部屋はあちらなので好きに使ってくださいね!」
動揺を見破られないよう笑みを貼り付ける。
「おおきに。ところで瑠璃ちゃん高校はいつからなん?」
凪がそう問う。
「えっと、、明日からです。」
カレンダーを見ながらそう答える。
「え?もうすぐやん笑じゃあもう準備は済んでるん?」
凪が首を傾げながら聞いてくる。その瞬間瑠璃は思い出した。色々なことが起こりすぎて肝心なことを忘れていたと。
「⋯⋯あぁ!」
瑠璃はドタバタと駆け出していく。
「瑠璃ちゃんそんな走ったら危ないで」
こっちを見てた凪が笑いながらそう言う。だが焦っている瑠璃にはそんな声は届かない。一目散にかけているので、床のでっぱりに足が引っかかった。
「っあ!」
ダメだ転ぶ、、!と瑠璃が手をつこうとした時だった。
「せやから危ないって言うたやん笑俺が居らんかったら瑠璃ちゃん顔面から突っ込んどったで」
間一髪凪が抱きとめてくれたようで、瑠璃は凪の腕の中にいた。
「す、すみませ///」
箱入り娘の瑠璃は生まれてこの方男に抱きしめられたことなどなかったため、顔がりんごのように火照っていく。
「どないしたん?瑠璃ちゃんまさか照れとんの笑?」
凪がニヤついた顔で聞いてくる。
「っ、、照れてませんよ!!いいからあっち行ってください!」
瑠璃は赤面した顔を覆い、逃げるように部屋に戻る。
「瑠璃ちゃんほんま可愛ええなぁ」
凪がそう呟いていたことを瑠璃は知る由もなかった。
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