【第4話】

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「あの頃は、あんまり恋愛に興味がなくて……。七咲君は、中1の時から彼女がいたよね」 「まあね。まさかの清宮先輩から、入学してすぐにコクられちゃったから。あの人のラブコールを断るなんて、俺らの中学では許されない行為だったじゃん?」  1学年上の清宮美玲(きよみやみれい)。  学校のマドンナ的存在で、下級生・同級生・上級生、すべての男子の憧れの的だった。  さらに、兄が二人いて、どちらも地元では伝説的なヤンキー。  そんな清宮先輩からの告白を断るのは、いくら七咲君でも難しかっただろう。  ――っていうことはっ? 「もしかして、七咲君は嫌々付き合ったのっ?」  一縷の望みをかけて、そんな質問をしてみた。  今更、清宮先輩と付き合った時の心境など知っても意味はない。  それはわかっているけど、どうしても気になった。  もし嫌々付き合っていたのなら、あの頃の私の切ない気持ちが、少しは救済されるような気がした。
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