【第8話】

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「よぉ、やっと起きたのか」  キッチンがあるリビングダイニングへ行くと、既に家政婦の園田さん(52)が作った美味しそうな朝食がテーブルを埋め尽くしており、それを霧島尊流が満足そうに食していた。  園田さんとは、すでに昨日挨拶を済ませている。 「あら、おはようございます。サクラさん」 「お、おはようございます」  住み込みの家政婦、園田さん。  昨日挨拶に行った時には、とにかく驚いたっけ。 とにかく上品で若々しく、とても52歳には見えない。30代でも通用するんじゃないかと思うほどだ。  美魔女というやつか。 「今日の朝食はフレンチトーストとスクランブルエッグ、コブサラダになっています。追加のご要望があれば、いつでもおっしゃってくださいね」  マジか。  朝食にここまで手をかけるなんて。  朝なんて、「ごはんと納豆」か「お茶漬け」があれば文句なしの私にとって、カルチャーショックでしかなかった。 なんか、フレンチトーストの隣りには生クリームまで添えられてるし。 「ほら、さっさと食え。せっかくの料理が冷める」  朝食に対して冷めるかどうかの概念を持ったことがない私にとっては、斬新なお叱りの言葉だった。
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