27人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
「わかってきたか? つまり、今日の昼の段階で、お前と瞬が第四公園で会うことを知っているのは、当人であるお前たち二人だけなんだよ。俺だって知らなかったくらいだ」
「嘘……でしょ……。じゃあ、西条雫をあの公園に呼んだのは……」
「瞬以外にあり得ないな」
「そんな……」
「奴らがグルだっていう根拠はそれだけじゃない。そもそも、なんで雫は偽装婚約のことを知っているんだ?」
「あっ……」
言われてみればその通りだ。
あの時は、私みたいな貧乏女と本気で付き合うわけないから偽装だと思い込んでる、なんて解釈したけど、よく考えたら、あそこまで断定的に言い切るってことは、何か確信があったはず。
「俺がお前との婚約を偽装していることを知っているのは、俺たち二人以外では、お前の妹と滝沢と瞬、この三人だけだ。滝沢や妹が喋るわけがないから、瞬しかいないんだよ。瞬と雫は幼馴染だから、接点もあるしな」
確かに、その三人しか偽装婚約のことは知らない。
妃花にも相談はしたものの、尊流の名前までは出してないからわからないはず。
わかったとしても、妃花が余計なことをするわけがないし。
七咲君と西条雫が幼馴染であることは知っている。
接点を持つ機会くらいあったのかもしれない。
ということは、本当に七咲君が……?
そんなバカな……。
最初のコメントを投稿しよう!