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「わかんないよ! 私、バカだから。何か気付いてるなら教えて!」
深く嘆息した後、尊流がポツリと言った。
「おそらく瞬は、お前を狙ってるんだろうな」
頭の中でグルグルと回っていた思考が、一瞬で吹き飛んだ。
ナナサキシュンガワタシヲネラッテル?
そんなことって……。
……でも、さっきの公園では、何度か意味深な言葉や態度が見て取れた。
っていうことは、もしかして、本当に……?
「おい、その浮かれたバカみたいな顔をやめろ」
その言葉で、我に返る。
確かに今の私は、バカみたいな顔をしていた可能性が高い。
それについては反論できない。
急いで顔を引き締めると。
「嬉しいのか?」
難しい質問が飛んできた。
正直な話、中学1年生の頃から憧れていた七咲君が私に興味を持ってくれているのならば、嬉しいに決まっている。
だけど……冷静に考えると喜んでばかりもいられない。
いくら憧れの人だろうと、西条雫とグルになって小細工をしていたとなると、複雑な気持ちにもなってしまう。
もしそれが本当なら、なんで七咲君はそんな回りくどいことをしたのだろう。
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