【第18話】

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 紅茶を持って、尊流の正面に座る。 「いやぁ、今日は本当に楽しかったよ」 「そうか」  ……会話が終わってしまった。  もうちょっと場を温めてから伝えたかったけど、無理そうなので、本題に入ることにした。 「あのさ、ちょっといいかな」 「やっとか。さっさと言え」  さすが尊流。  何か言いたいことがあってリビングに来た、ということくらい、とっくにお察しの模様。 「今日、寧音にも相談してきたんだ。西条雫のこと。――あ! もちろん名前は出してないよ? ある令嬢、としか言ってないから」 「……で?」 「う、うん。――尊流は、七咲君が怪しいっていうけど、私としてはまだ信じられなくて。でも寧音に相談したら、寧音も七咲君のことを疑ってたの」 「だろうな。普通に考えればそうなる。昨日も言った通り、瞬とお前が第四公園で会うことを知っていたのは、お前たち二人だけなんだからな」 「でもね、寧音が言うには、もし七咲君じゃないとしたら……」 「――じゃないとしたら、誰なんだ?」  咄嗟に口を噤む。  まだ、この段階で言うべきことじゃない。  まずは、七咲君に会ってみてからだ。  もしかしたら、七咲君があっさり自白する、という可能性もあるのだから。――あって欲しくはないけど。
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