【第18話】

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「で、今日はどうしたの?」 「あ、そうそう。――あのさ、今日って時間あるかな? ちょっと会いたいな、と思って」 「マジでっ? いいね、会おうよ!」  もう一段階、七咲君のテンションが上がった気がする。  私も自然とテンションが上がる。 「ホントっ? 良かった~! じゃあ、前回と同じ第四公園に、お昼12時集合、とかでもいい?」 「もちろんいいよ! またコンビニで弁当買ってくから、一緒に食べようぜ」  あの楽しかった、公園でのコンビニ弁当デート。  いや、デートじゃないけど、またあんな素敵な時間が過ごせるのか。  胸の奥がほわぁっと温かくなってきた。  これが、幸せな気持ち、というやつだろうか。 ***  具体的にどこで待ち合わせるかは決めていなかったものの、第四公園に到着すると、無意識のうちに前回のベンチへと足が向いた。 「あ、こっちこっち!」  まだ約束の時間の10分前なのに、すでに七咲君は来ていた。  しかも、例のベンチに座って待っている。  気持ちが通じ合っているのだろうか。  どこか尊流に対して申し訳ない気持ちを抱きながらも、嬉しさを抑えきれない。  なんで申し訳なく感じてしまうんだろう?  その理由は、自分でもはっきりとはわからなかった。 「ほら、今度は弁当を変えてみたんだ。チーズハンバーグ弁当と、豚の生姜焼き弁当。上田はどっちがいい?」 「うーん、チーズハンバーグかな」 「オッケー! 俺は生姜焼きの方が好きだったからちょうど良かったよ」  本当に生姜焼きが食べたかったんだろうか。  私がどっちを選んでも、残った方の弁当を食べたかった、ということにするつもりだったのではないだろうか。  ……まずい。  七咲君のことをすべて肯定してしまう。  毎度のことだけど、彼の前にいると私は冷静な判断ができなくなる。  もはやこれは、七咲病だ。
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