3.夢をかなえる会社

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3.夢をかなえる会社

3.夢を叶える企業  山田博士は、AIとロボットの研究に没頭し、それが具現化したのが人型ロボットだった。  彼はある講演で熱く語りかけた。 「あなたに会いたい」と。 人型ロボットが、残された家族の心の傷を癒してくれる可能性について感動的に訴えた。  その講演はマスコミにも注目され、話題を呼んだ。  健一は、山田博士の研究をテレビで知り、一筋の光明を見出していた。  山田博士の研究所を訪れた健一は、美子をロボットとして再生できないか相談するが、実現には莫大な費用がかかることがわかった。  山田博士は条件を提示した。 「高橋さん、君が人型ロボットのモニターとして、一緒に過ごして、考えの変化などを報告してくれたら、美子さん再現に無償で協力しよう。ただし、美子さんの家族の協力が不可欠だ」  健一はロボットのモニターになることを承諾した。  山田博士は、データが多ければ美子の再現がより生き生きとしたものになることを説明した。  美子の成長や生い立ちの情報を手に入れるため、健一は美子の両親に協力を頼むことを決心する。  人付き合いが苦手で、美子の葬儀で父親に拒絶された辛い経験も、健一の美子に再び会いたいという気持ちが勝っていた。
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