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その年の7月、慶良間諸島の座間味島に到着した。
慶良間諸島は、大小20余りの島で構成されている。座間見島はその中のひとつで、特に観光客が集まる島だ。
砂浜に降り立った時、”ケラマブルー”と称されるその美しい青に息を飲んだ。
「綺麗…ここは楽園?」
「あぁ、日本とは思えないな」
白い砂浜の上を、ガラスのような透明度の高い波が、何度も波打ち際に優しく押し寄せる。
早速、専門のダイバーさんの講習を受けながら、初めての海を潜っていった。
プールで練習していた時とは違い、慣れない波の動きに体がなかなか言うことを効かない。
何度も深く潜っては水面に戻り、海の流れに慣れていく。やっと慣れてきた頃には、近くで泳ぐ魚達に目を向ける余裕も出てきた。
細かな気泡が海面に向かって上がっていき、それもまた幻想的だ。
魚と一緒に泳いでいると、自然と一体になったようだった。最初は海に入ることも怖かったはずなのに、どんどんと気分が高揚していく。
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