タマのポケット

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「気持ちいい…。ここはタマのお腹の中なの?」 「そうだよ。あったかいでしょ?」 タマの声だけが空間に響く。 「うん。このままずっとここに居たいな…」 「春香の心が温まって、元気が出るまで居ていいよ」 緊張の糸がほぐれ、温かさとタマの優しさに自然と涙が溢れてくる。 「春香、よく頑張ってるよ。毎日お疲れ様。僕ね、小さい時に春香が僕のこと可愛い可愛いって撫でてくれたから元気になれたんだよ」 …そうだ。 産まれたばかりの小さいタマは風邪をひいていて今にも死にそうだった。弱っていく小さい命を守りたくて必死で看病した事を思い出した。 「タマ、元気になってくれてありがとう。大好きだよ」 「春香、えらい!“ごめんなさい”じゃなくて“ありがとう”って言えたね!」 「うん。側に居てくれてありがとう。優しくしてくれてありがとう。元気で居てくれてありがとう…。タマ…あったかいよ…」 優しく温かい物に包まれ、春香はそのまま穏やかな眠りについた。
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