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「……一之瀬……」
「……何つーか、スゲェ緊張する……」
「……何、それ……ッ」
つい先程まで余裕たっぷりだったはずの一之瀬の意外な台詞に驚きつつも、ブラウスのボタンに手を掛けられて一つ、また一つと外されていく度に、これから一之瀬に抱かれる事を想像すると、恥ずかしくなる。
(……本当に、いいのかな……)
自分の事なのに、まるで他人事みたいに映るこの光景。
ボタンが全て外されたブラウスを脱がされ、目を覚ました時同様下着だけを纏った姿になる。
「あ……、あのさっ! 後は、じ、自分で……脱ぐから……その……私だけ裸とか……恥ずかしいから、一之瀬も、その……自分で、ズボン、脱いでよ……」
何だかブラジャーまで一之瀬に外されるのが恥ずかしかった私はそう言って全力で身体を押し退けた。
「……分かった」
自分で言っておいてなんだけど、今の私の台詞だと、何だかやる気満々みたいに思われなかったか不安になる。
(何これ……何か、もの凄く緊張するんですけど!?)
経験無い訳じゃないのに、まるで初めてするみたいに心臓がバクバクと音を立てている。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、一之瀬は私の言葉通り黙々とズボンを脱いでいるので、私も自らブラジャーを外していく。
そして、私はショーツ、一之瀬はボクサーパンツのみという格好になり、私が恥ずかしがってなかなか向かい合えないでいると、
「――本條」
「……ッん、」
後ろから抱き竦められ、耳元で名前を呼ばれた私は擽ったさと緊張からピクリと身体を震わせ、漏れ出そうになった声を我慢した。
「俺との事、真剣に考えてよ」
「……こんなこと、されて……そんな風に言われても、……ッ」
「俺ならお前の事、絶対離したりしねぇけど?」
「そんなの、分かんない……じゃん……」
「絶対だよ。だってお前、凄く魅力的だし、他の男に触れさせたくなんか、ねぇもん」
「……ッや、」
耳元で話していたと思ったら、舌で耳朶を舐めた一之瀬はそのまま首筋へと舌を這わせていく。
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