サヨナラノユビワ

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 不思議だ。見つからない。  この部屋からは誰も出ていない。つまり密室。  その状態でここに置いてあった指輪が無くなっているというのは……。  一体これはどういうことなのだろう。  私は部屋を見渡しながら考えた。 「ふぅー。空気が良いねぇ」  私は伸びをして、大学の同級生である沙耶香に言った。 「こういう自然がある場所って気持良いよねー。ていうか、私達と同じグループの男の子達かっこよくなかった? これは出会いあるかも」  沙耶香がちらちらと少し離れた場所にいる男の子達を見ながら言った。  学校は夏休みに入り、私達は車の免許を取るため、今日から始まる合宿免許に来ていた。  都心から離れたこの場所は田舎とまではいかないが、見慣れているチェーン店やショッピングを楽しむような店は無い。自動車免許を取るのに集中できるってわけだ。  そんな合宿中にまさかあんな事件が起きるとは……。
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