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「覚えているわ……当時とあまり変わっていないのね」
ジョシュアの部屋は、私が彼と一緒に初めてを経験した時からはあまり変わっていないようだった。あの素晴らしい時間から、時が止まってしまったように感じる。けれども、現実には取り返しがつかないところまで私たちは来てしまっている。
「ここで私を殺すのかしら?」
震える小さな声で、私はジョシュアに尋ねた。
「そうだね。君には死んでもらうしかない」
――いま、一瞬だけ、ジョシュアの瞳に切なさが滲んだように思うのは気のせいかしら?
彼が私に近づいた。
彼がすぐさま私の手首をつかんだ。私を見つめる彼の瞳が、窓から入る陽光を反射して光る。
――何をしようとしているの?もしや……?
「ジョシュアっ!」
ジョシュアが私の手首をつかんで私を引き寄せて、私の唇に熱いキスをした。私は驚いて身じろぎをし、彼を押し退けようと抵抗した。ジョシュアの片方の手は私の首に後ろから手を回し、片方の手は私を掴んでジョシュアの背中まで回された。私はぴたりとジョシュアに体をつけることを余儀なくされた。
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