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5.急募:押しの強い後輩の対処法
そして現在。
「先輩と一番仲良いのは俺っす!!」
「違う…おれ。」
「いーや!俺っす!」
「おれ。」
黒幕というか、大量にポイントをゲットしている人物を探し当て、とうとうその人物の前まで俺たちは来ていた。
ちなみにここまで10分。
嬉しいのか嬉しくないのか相手は隠す気は微塵も無かったためすぐに見つかった。
そして始まったのは何やら意味の分からない主張のし合い。
六倉と長身の無口な男で黒幕、七瀬幸弘は今にも取っ組み合いをしそうな状況だ。
「先輩は俺と一番仲が良いっすよね!」
「…おれ?」
そしてとうとう矛先が俺に向かう。
何と返事すれば正解か分からないため沈黙を貫いていれば痛いほど視線が刺さってきた。
こんな時に頼りになる一ノ瀬は武井と周囲の偵察に行っている。
「ちょっとー、やぎーが困ってんじゃん!」
どうしようか考えている時、思わぬところから声が上がった。
四尾だ。
自身の髪の毛を指に巻き付けながら面倒くさそうにいう彼は何やらため息を吐いていた。
有難い気持ちになりながらも…何やら面倒ごとが起きる気がするなと思う。
そしてその予感は的中していて。
「俺が一番やぎーと仲良いの!」
「…!?」
「…。」
今度は四尾も含めた3人での取っ組み合いが始まった。
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